産業医も懸念する「なぜ過重労働対策?」
産業医と過重労働対策に関する具体的な対応策
産業医と過重労働対策面談の詳細
産業医も懸念する過重労働対策面談にならないためには?
産業医も懸念する精神疾患における過重負荷の有無の判断
産業医も懸念する「なぜ過重労働対策?」
いうまでもなく、会社は従業員の健康状態を把握する必要があります。

過労死の背景には、高血圧・糖尿病・高脂血症といった生活習慣病とうつなどの精神障害を認めることが多いです。

従来このような病気は、「従業員個人の私病」で「自己管理責任」であると考えられてきました。

しかし近年は、「業務に直接起因しているとはいえないが、業務と密接な関係を有する健康障害」=「過重な労働負荷」により生じた健康障害であれば、「事業者にも」責任があるのではないかというように考えられるようになってきています。

業務に直接起因とは、例えば粉塵作業とじん肺、アスベスト被害。有機溶剤や鉛等の業務とその疾患などです。

業務と密接な関係を有する健康障害とは、
例えば、残業時間が多い→(食生活が不規則)→生活習慣病になった、労働環境がよくない→(ストレス多い)→うつになった、などを意味します。

そのような具合で最近は、法定の健康診断(つまり会社の健診)で把握できる作業関連疾病の管理(生活習慣病も含む)にも事業者、更に管理監督者への責任が課せられるようになりました。

会社は従業員の健康状態だけでなく、残業問題も把握する必要があります。
(管理職・裁量労働制であっても、労働時間管理が必要です。)
産業医と過重労働対策に関する具体的な対応策
・ 残業の削減、労働時間の適正管理。
   残業は月45時間以下にするよう、努力。
   就業日ごとの始業・就業時刻をタイムカードなどで記録、確認。

・ 年次休暇の取得
   年次休暇を取得しやすい職場環境づくりをし、取得促進。

・ 健康診断の実施の徹底と事後措置
   年1回の定期健康診断受診を徹底。
   深夜業務がある社員には6ヶ月内に1回の特定業務従事者健診を実施。
   有所見者については、医師の意見を聞き、必要な事後措置を行う。

そして、最近の“はやり”が、
・ 残業時間の多い社員へ産業医による保健指導等の実施。いわゆる過重労働対策面談です。
    時間外・休日労働時間が1月当たり100時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる労働者が申し出た場合には、医師による面接指導を行うことが義務付けられています。
   事業者は、面接指導の結果の記録(疲労の蓄積の状況その他心身の状況、聴取した医師の意見等を記載したもの)を作成し5年間保存します。必要に応じてじご措置を講ずることもあります。

産業医と過重労働対策面談の詳細
時間外・休日労働時間が1月当たり100時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる労働者が申し出た場合には、事業者はその労働者に対し医師による面接指導を行うことが義務付けられています。
この面接を、過重労働面談といいます。

実施しなければ法律違反です。

この時、産業医は主に2点について注意しながら面談を行います。

まず、健康障害がないか?
直近の健診結果も併用します。

次に、うつ病の気配はないか?
疲労やストレス調査票などを用います。

事業者はその後、面談を実施した医師からの意見聴取を行い、結果の記録を作成し、これを5年間保存することになっています。
そして、場合によっては、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少などの事後措置、つまり労働条件、労働環境の改善を実施する義務があります。

ちなみに、時間外・休日労働時間が1月当たり80-99時間で、疲労の蓄積が認められる労働者が申し出た場合には、面接指導を実施するように努力する義務があります。

つまり厳密には、実施しなくても、法律違反にはなりません。

ここらへんをどのように対処するのかは、会社によりわかれます。

会社のスタンスの違いです。

自分の会社ではどうなっているのか、どうしたいのか、どうするべきか、社内でご検討下さい。
産業医も懸念する過重労働対策面談にならないためには?
このような状況にならないためには、企業は従業員を残業させない仕組みを考える必要があります。
簡単なことではないかもしれませんが、まずは、この法律を頭の片隅に置いて、従業員の日々の働き方を再考して下さい。


残業を減らすことは工夫できる場合があります。
例えば、ノー残業デーをつくるなどです。

この結果、業務効率が上がり、残業が減った例も多くあります。

ほかに、過重労働面談の実施を従業員に通知したことにより、それだけで、従業員の残業時間が減った例もあります。

きっと、「先生」との面談によほど抵抗があったのかもしれませんね。


長時間働くことは美徳ではありません。
組織全体の作業効率を上げることも仕事です。

産業医も懸念する精神疾患における過重負荷の有無の判断
労災補償に際して、精神疾患の認定の基準は以下の3点と考えられます。
1. 精神障害を起こしていた事実。

2. 発病前の半年間に仕事による強いストレス(心理的負荷)があった。
強いストレスとは、仕事の失敗、過重な責任の発生、仕事の量・質の変化(勤務の長時間化)、身分の変化(退職の強要)等を指します。

3. 仕事以外のストレスや個人的事情で精神的障害を発病したとは思われない
例えば、離婚や別居。ほかに配偶者や子どもの死といった出来事との関連性がないことなどです。
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